ウサギの胃腸と食餌

ペット栄養管理士。 子供の頃から犬と一緒の生活。 犬には、ただ長生きするだけでなく”健康に天寿を全うして欲しい”との思いから、犬の食事の勉強を始めました。今では趣味の一つに。 良質な食事と同時に、運動も健康に大きく関わる事を実感してます。 飼育経験・犬の栄養学・運動に関する記事を書いていきたいと思います。

ウサギの食餌第2回。

ウサギが草食動物である事は前回話しました。
肉食の猫や肉食に近い雑食の犬とは真逆で、知れば知るほど不思議な動物に思えてしまいます。

今回は、ウサギの食餌と胃腸についてお話したいと思います。

1977年に公表されたNRC標準によると、ラビットフード中の粗繊維14%・脂肪2%・粗タンパク12%です。
ですが、その後の研究によると粗繊維20~25%・脂肪2%・粗タンパク12%を目安にするのが良いとされています。

なぜ繊維がそれほど多く必要だと言われるようになったのか・・・ウサギの胃腸をメインに、各栄養素の役割を簡単にお話していきたいと思います。

 

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繊維

草食動物のウサギにとって、植物の繊維は栄養源になるだけでなく、消化管を健康に保つために欠かせない物です。
繊維は腸内細菌によって発酵され、有害微生物が繁殖するのを防いでいると言われています。
繊維不足は胃腸の調子が悪くなる原因の一つなんですね。
また、繊維不足は蠕動運動が弱まる原因にもなります。これも腸炎を引き起こします。

さらに・・・繊維不足は過剰なグルーミングを起こさせる事から、胃毛球症(グルーミングで飲み込んだ毛が玉になって消化管を閉塞する病気)の発生も増加させます。

低繊維食では子ウサギの成長率が低下する事も証明されています。

脂肪

上記した通り、必要量は食餌全体の2%程度。
通常の食餌で充分に摂取できるので、脂肪を補給する必要はありません。
脂肪が多く含まれるナッツ類やヒマワリの種、市販のトリーツは出来るだけ避けるのが良いでしょう。

たんぱく質

一般的に維持期のウサギには乾物量換算で13%のたんぱく質が必要です。
たんぱく質が過剰だと腸炎の発生頻度が高まります。

デンプン

デンプンを多く摂取すると盲腸内の環境が悪化し、軟便をする事が多くなります。
腸内環境の悪化は腸毒素血しょうを引き起こし、最悪の場合亡くなってしまうことも・・・。
穀類(大麦・小麦・燕麦・とうもろこし等)やイモ類は避けましょう。
市販のトリーツも小麦が主原料のものが多く、デンプンや脂肪の過剰を招きます。

カルシウム

ウサギのカルシウム要求量は非常に少なく、成長期で0.4%程度。
通常の食餌で不足する事はほとんどありません。

過剰摂取すると、尿中のカルシウム量が増え、尿石症の原因になります。
尿石は腎不全を招き命に関わる事もあります。

 

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最近、家庭で飼育されているウサギの肥満が増えています。
人間同様、肥満は様々な病気を引き起こしますが、ウサギは特に脂肪肝になりやすい事がわかっています。

家庭のウサギは栄養要求量がとても低いです。
脂肪・たんぱく質・デンプンは極力控えましょう。

「主食は干草!ラビットフードは補助食!」を肝に銘じた食餌管理が大事なんですね。

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