野良猫とはどう違う?地域猫とボランティアの話

都内某大学院を出たのち、ライター兼猫(茶トラ♂)の奴隷として働くことに。小学生時代は生き物係、中学以降は生物部と動物全般が好き。動物とのよりよい共生について、思いを馳せる毎日です。記事は猫多めです。

うちの猫は、飼い主の私が言うのもなんですが、かなり美形で可愛いです(猫の飼い主ならみんなそう言うよね!)。それで携帯電話の画像を友人に見せて、迷惑にものろけるわけですが、たまにその写真を見て「おや?」という顔をする人がいます。あるいは、こんな風にダイレクトに質問をしてくることも。
「ねぇ、この子どうして片耳が欠けてるの?」
そして私はそのたびに説明するのです。以下のような『地域猫』の話を。

デジタル大辞泉によりますと、『地域猫』とは

「特定の飼い主ではなく、その地域に住む人々が共同で飼育と管理をしている猫。餌やり、ふんの清掃、繁殖防止のための避妊手術、猫に関する住民どうしのトラブル解消などの活動を行う。 」

とのことです。

特定の飼い主はいないけれど、地域で面倒を見ていて、避妊や去勢手術をすでに受けている猫達です。耳が切られているのは「手術済みで子猫は増やせませんよ!」というマークなのです。
野良猫の場合は手術もしておらず、管理者もいないため、繁殖や排泄物の問題が必ずついて回ります。ですが、地域猫の場合はこれがクリアになっているんですね。つまりは人の手が大いに入っているのです。ここで言う人の手とは、もちろんボランティアの個人や団体です。私財を投じて猫たちに手術を受けさせ、餌をあげて、トイレも用意して掃除する――そういう手間がかかるのです。

「というか、そこまでするんなら家で飼えばいいんじゃないの?」

そういう疑問をお持ちになった方もいるでしょう。日本でも数多くのボランティアの方々が猫の保護活動していますが、キャパシティをオーバーしていることが非常に多いのです。筆者の知り合いでは、28匹の猫を保護して飼っているボランティアの方もいます。
特に猫は自分のなわばりを重んじる生き物ですから、多くの他の猫と暮らすことは、時にストレスとなり得ます。ですので、「とりあえず家には連れて帰れないけれど、ご飯もあげるし、増えないように手術をしておこうね」というのが地域猫のシステムなのです。もちろん、我が家の猫のように、特定の家に飼われるようになればバンバンザイですが!

じゃあ野良猫のままでもいいんじゃないの?

いえいえ、手間をかけてまで野良猫を地域猫にするのには理由があります。それは、地域猫の目指すところが野良猫の根絶だからです。野良猫の根絶と言っても、積極的に殺処分を行うわけではありません。避妊・去勢手術を受けることでその猫は子孫を残せない「一代限り」の猫となります。そして天寿をまっとうすれば、猫の数は増えません。
それに、地域猫として管理されることは、猫が苦手という方にもメリットがあります。避妊・去勢手術によって猫達は発情期がなくなるので静かになりますし、オス猫の場合は闘争心が薄れるので喧嘩も減ります。さらに、ボランティアがトイレの管理もやってくれるので、糞害も結果として減ります。

地域猫のシステムは猫を大切にしたい方と、猫が苦手という方、双方にメリットにあるのです。ですから先程のデジタル大辞泉の説明にも、「猫に関する住民どうしのトラブル解消などの活動を行う」とあったわけです。

bf964f57e776b3843137097efd8214fd_s

最後に

野良猫と地域猫の違いをわかっていただけたでしょうか。片耳が欠けている猫を見かけたら、その地域に地域猫活動をしているボランティアさんがいるということです。見慣れてくると可愛い欠けた耳は、まるで桜の花びらみたい。

もしも縁があって「元地域猫」と暮らすことになったら、ぜひその耳ごと愛してあげてください。

人気記事ランキング