犬猫のペットフードの歴史と知っておきたい光と影

都内某大学院を出たのち、ライター兼猫(茶トラ♂)の奴隷として働くことに。小学生時代は生き物係、中学以降は生物部と動物全般が好き。動物とのよりよい共生について、思いを馳せる毎日です。記事は猫多めです。

正直に告白します!
「医食同源」なんて言葉、昔は鼻で笑って聞き流していました。
しかし最近になって、「美容も健康も内側から作られるものだなぁ」という実感がふつふつとわいてきています。
というのも、美肌のために飲み始めたコラーゲン入り青汁のおかげで、荒れ放題だった唇はプルプルだし、口内炎にも悩まされなくなったんです。
ですので、今回はそんな「医食同源」のお話。
「え? まさかペットの情報サイトで青汁の話をする気?」
いえいえ、「医食同源」は犬猫も同じということで、今回お話ししたいのはペットフードの話です。よりよいペットフードは、よりよい体作りにつながり、将来的に病気を吹き飛ばしてくれるはず!
テンション高めですが、今回はまじめに語りますよ。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

ペットフードの生まれる前――平安時代の乳粥、そして150年前の港町

 


ペットフードが歴史上に登場したのは、実はごく最近のことで150年ほど前の話になります。
それまでは、日本の「猫まんま」に代表されるように、食事の残飯を与えていました。もちろん犬猫の栄養については二の次で、「人間のいらないものを食べるならそれをあげてしまおう!」という発想ですね。
別の記事でも触れた、平安時代の猫バカ代表である宇多天皇も、猫には乳粥を与えていたと書いています。宇多天皇は猫をとても可愛がっていましたが、猫についての栄養学が明らかではない当時、乳粥を与えていても不思議はないでしょう。同時に「よくネズミをとる」という記述もあるので、肉食である猫はここから主な栄養を摂っていたと推測できます。
さて、話は冒頭に戻って、150年前。しかも場所は日本ではなく、イギリスの港町。
イギリスの船乗りたちは、航海中の主食としてかたいビスケットを食べていました。あまり美味しくなかったらしいそのビスケットのあまりは、航海後に捨てられてしまうのですが、これを野良犬が食べていたんですね。これを見た人間がひらめき、穀類のカスと肉の破片を組み合わせたドッグフードが作られ、商品化されました。
この時はまだ、犬用ビスケットとでも言うべき形状だったのでしょう。

アメリカに渡ったペットフードと、日本初のドッグフード『ビタワン』

1900年代に入り、犬用ビスケットを作る技術はアメリカへと渡ります。
そして生まれたのが、現在のドライフード(「ポリポリ」とか「カリカリ」なんて呼んでるアレです!)。そして後発で、魚肉缶詰の残りを用いたキャットフードも発売されます(医療でもそうなのですが、実用化の順番は犬→猫の順番なんですよね)。
第二次大戦の激化にともない、人間の食料も不足するなか、長期保存の可能なペットフードの需要が生まれます。そして生まれたのが、缶詰タイプのものです。
さて、日本にペットフードが入ってきたのは大戦後。多くのアメリカ人が国内に入ってきている状況で、ドッグフードが求められるようになりました。
そしてついに、日本初のドッグフードである『ビタワン』が誕生します。ただし、まだ「ペットには残飯を」というのが常識であったので、一部の富裕層のみがこれを購入するにとどまります。

犬とちゅー

『美味しいペットフード』の罠!? ”4Dミート”ってなんだ?

最初は『ビタワン』しかなかったペットフードが数多く出回るようになると、より美味しいペットフードが求められるようになります。確かに、いくらペットフードを買い込んでも、自分のペットが食べてくれなきゃ意味ないですよね。
しかし、この「美味しい」というのがなかなかに難しい。人間も同様ですが、「仮に人工的な味付けでも美味しければ、栄養はどうでもいいのか?」ということになってしまいます。
そこで問題になってくるのが、いわゆる『4Dミート』と言われるもの。
肉業者を営む上では、「Dead(死んでしまった動物の肉)」「Diseased(病気の動物の肉)」「Dying(死にかけの動物の肉)」「Disabled(障害のある動物の肉)」という人間の商品として出荷できない肉が出てきてしまうことがしばしば。
これを処分するために、ペットフードの原材料として安く提供するというわけです。
そして美味しいパウダーをふりかけて、ペットフードの完成!
……こういうペットフード、愛犬や愛猫にあげたいですか?

生肉

近年出回る『プレミアムフード』

現在では、単に美味しいペットフードではなく、栄養学的に研究された、俗に『プレミアムフード』と言われるフードが多く売られるようになっています。プレミアムフードの多くは、年齢やライフスタイルや健康状態に合わせたさまざまな種類を取り揃えています。
ですが、「じゃあプレミアムフードであれば必ずしも安全なのか」というと必ずしもそうも言い切れません。というのも、『プレミアムフード』にはこれといった規格や定義が存在するわけではないからです。つまりは変な話、「言ったもん勝ち」なところもあるわけで、事実、大手のプレミアムフードで危険な成分が検出された事件もありました。
もちろん筆者は「全ての安いフードは4Dミートが使われているから危険」だとか、「プレミアムフードと言っても信用できない」と言っているわけではありません。
ただ、愛犬や愛猫の口に入るものならば、しっかりとした勉強して、納得した上でフード選びをしていたいものですねと言いたいだけです。

最後に――現在のペットフードの現状と、筆者の思い

現在のペットフードは手頃な価格のものと、高級志向のものと二極化しているようです。
そして少数ながら”手作りペットフード派”も存在する様子。
この数十年ほどで犬猫の寿命は飛躍的に伸びています。
背景には、動物病院が身近になり、ワクチン接種、病気の早期発見・早期治療ができるようになったことも大きな要因でしょうが、ペットフードによって適切な栄養が与えられるようになったことも功績の一つでしょう。
なんにせよ、以上のような要因はすべて、昔よりも犬猫と人間との絆が深まっている証ではないでしょうか?
だとしたら、常に勉強する姿勢を忘れず、犬猫の栄養学の知識と向かい合いながら『医食同源』を目指し、適切なフード選びをしていきたいものですね。

人気記事ランキング