猫を酔わせる麻薬!?知っておきたいまたたびのあげ方

都内某大学院を出たのち、ライター兼猫(茶トラ♂)の奴隷として働くことに。小学生時代は生き物係、中学以降は生物部と動物全般が好き。動物とのよりよい共生について、思いを馳せる毎日です。記事は猫多めです。

「どうやら家の猫が元気がない。そうだ、またたびをあげよう!」
そんな風にお考えになるオーナーさんは、とても多そうですね。
筆者もたまに愛猫にあげています。
猫にまたたび、なんて言葉があるくらいに、猫にとっては大好物のイメージがあるまたたびですが、どうして猫はあんなもので酔っ払ったみたいになるんでしょう?
今回は猫にとってのまたたびという植物についてと、隠された危険性・正しいあげ方についてのお話です。

【またたびは人間のための漢方としても使われていた】

またたび
またたびは「木天蓼」と書き、「もくてんりょう」とも言う植物です。
猫にあげるだけではなく、人間の漢方としても使われていたこと、ご存知でしたか。
現在ではあまり用いられないようですが、
●身体を温める
●虚弱体質の改善
●利尿作用
などがあるため、かつては主にリューマチの治療に使われていました。
「旅人がまたたびを食したことで、元気になったためにこの名前がついた」
という説もありますが、これはおそらく民間伝承。
実際はアイヌ語でまたたびの木を指す、「マタタムブ」を語源としているというのが有力なようです。

【またたびは猫を性的興奮に誘うもの】

猫ごろごろ
さて、人間のリューマチ治療に使われていたまたたび、猫に対してはどのような効果があるんでしょう? 猫が酔っ払うっていうのはわかるけど、一体どんな原理であんなにベロンベロンになってしまうのでしょうか。
これは、またたびに含まれている「マタタビラクトン」と「アクチニジン」という成分が、どうやら関係しているらしい、というところまではわかっています。
というのも、実はまたたびがどのような原理で猫を酔わせているのか、判明していないことも多いのです。ですが、とにかく「マタタビラクトン」と「アクチニジン」という成分が猫の身体に入ると(嗅覚への刺激ではないかと言われています)、猫は中枢神経が麻痺した状態になります。
これは性的な興奮を伴うため、性的に成熟していない子猫や、性的な刺激を得る必要性がない妊娠中の猫などは反応が薄いとされます。
性的興奮を得て、中枢神経が麻痺した猫は夢心地となり、よだれを流したり、ごろごろと床に転がったりするんですね。
しかし、またたびの効果の持続時間はさして長くはなく、せいぜい30分程度。
またたびには常習性もないので、その後引きずることもありません(人間はお酒を飲むと、しばらく酔っ払うのにね)。
ですが、これはあくまで少量を与えた場合。
一回につき与えるまたたびの量は最大が1グラムほどで、少量であればあるほどよいです。
それ以上あげてしまうと……。

【またたびのあげすぎは脳を麻痺させ、呼吸困難を引き起こす!?】

金庫
中枢神経を麻痺させる、と先ほどから書いていますが、これはつまり、脳の一部を麻痺させているということです。ですから、あまり大量のまたたびをあげれば、猫にとって良くない結果を引き起こします。脳の麻痺、つまりは呼吸困難などで命を落としてしまう、ということです。
普段あげる量については私達猫のオーナーが気をつけていればいいだけですが、危ないのはまたたびの入った袋を猫の手の届くところに置いて、猫が勝手に破いてしまうといった事故。
猫が勝手にまたたびを摂取することなどがないように、私たちはその管理に気を配らねばなりません。
具体的には、猫の手では開けられないような、しっかり閉まる蓋がついた箱などにしまっておくのが安心ですね。

【キウイフルーツもまたたびの一種!?】

キウイ

美味しいキウイフルーツは私も大好物です。
実は、このキウイフルーツもまたたびの一種で、マタタビ科マタタビ属の植物。そのため、キウイフルーツを育てている農家では「猫害」に悩んでいるところも多いと聞きます。
ただし、より反応を示すのはキウイフルーツの枝や葉の部分ですので、普通にスーパーで手に入る果実の部分にはあまり反応を示さない猫がほとんど。
でも、またたびへの反応度は個体差があるので、キウイフルーツを購入した際には、通常のまたたびと同様に取り扱いには気をつけてくださいね!

【最後に】

今回はまたたびの危険性について書きましたが、月に数回、1グラム以下の量を守るぶんにはまったく問題無いでしょう。
食欲のないときには、フードに少しふりかけてあげるのもいいと思います。
少しの量だとリラックス&リフレッシュをもたらしてくれるまたたびは、人間にとってのカフェインと同じような役割かもしれませんね。カフェインや、カフェイン入りの栄養ドリンクも摂り過ぎるのは毒だと言われているでしょう?
人も猫も「過ぎたるは及ばざるが如し」。うまく付き合っていきたいものですね。

(※信頼性のある情報を元に執筆してはいますが、筆者は動物医療の専門家ではありません。そのため、本記事についても医学的な間違いがないとは言い切れません。気になることがあればかかりつけの動物病院等でご相談を。)

人気記事ランキング