ネコのおしっこトラブル解消し隊 1

獣医師。酪農学園大学獣医学部卒業後、神戸の動物病院で4年ほど勤務し、命の重みを毎日痛感。結婚後移住した北海道の町には小動物の病院がひとつも無いという、このご時世大変びっくりな展開を経験する。現在新種の生物(息子)と格闘しながら、将来臨床への復帰を目指して再勉強中です。地域の子供達と動物の健全で安全な触れ合いの時間を作ることが、学生の頃からの密かな目標。・・ただの動物好きなので、いろいろな動物に関することを幅広く書いていきたいと思います。

ついふた昔ほど前なネーミングセンスを感じるタイトルを付けてしまいましたが、ネコのオシッコ。それは時にネコさまの存在を、ただ可愛いだけのものから可愛さ余って憎さ100倍のものに変えてしまう・・ヒトに預けたネコさまが、そのお家のソファーにそそうをしてしまったとなれば、気まずさ満開、アハハでは済まされませんよね。今回はネコさまのオシッコトラブルについて検討していきたいと思います。

ネコが“そそう”をしてしまう理由3つ

ネコはトイレに猫砂を入れ用意しておけば割と簡単にそこで用を足すようになってくれます。すぐにトイレを覚えてくれて喜んだのもつかの間、ある日を境にお気に入りのソファーに、買ったばかりの服に、大切なアルバムに、何か独特のツンとくる臭いが付着していて、ガクッと肩を落とす経験をされる方は結構多いのではないでしょうか。(かく言う私もガクッときた一人です・・。)

そもそもネコが“そそう”をしてしまう理由には以下の3つが考えられます。

本能的なもの(ネコは健康)

これには2種類あり、縄張りを主張するものと発情関連のものです。どちらも“お知らせ”目的で匂いを付けていくわけですから、フェロモンの含まれたその尿はいつもに増して匂いが強烈です。雄ネコに多いですが、発情がくれば雌ネコでもやってくれます。お尻を高い位置でフリフリっとしてオシッコを飛ばすので壁やタンスが犠牲になる事が多いと思います。

心因性のもの

引越しをしてから、新しいネコをお迎えしてから・・など環境が変わった時に始まる場合は心因性のものが多いです。割と思い当たる節があるので原因がわかりやすい事も多いですが、思い当たる節が無くても無意識にネコにストレスを与えている場合(過剰なスキンシップ、実はネコ砂の素材が嫌など)もあるので要注意です。

泌尿器疾患によるもの

膀胱炎などでトイレが間に合わなくなったり別の場所で用を足し始める場合もあります。拭き取ったオシッコがいつもと違う色をしていたり、少量を何回もしていたりはしないでしょうか。

これら3つの理由は単独の場合もあれば2つ以上が混ざり合っている場合もあります。最初はただの?縄張りスプレー行動だったのが、いつするかいつするかと飼い主たちが目を釣り上げてジッと見張ることによってストレスを感じて心因性のものへと移行し、さらに不安から特発性膀胱炎を発症してしまう場合など・・。

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縄張り主張や発情関連の場合は避妊去勢手術を行うことで抑制が期待されます。心の不安や恐怖を取り除けば心因性のそそうは無くなるはずですし、膀胱炎を治療すればまたトイレでスッキリオシッコをしてくれるはず・・・ですが、特に心因性のものが絡んでくると一筋縄でいかないこともしばしば。止むを得ず抗不安薬などの精神安定剤の処方に至るケースも出てきてしまいます。(飼い主側、ネコ側共に)悩む期間が長ければ長いほど事態はややこしくなっていくので、モヤっとし始めたらすぐに動物病院に相談されることをお勧めします。

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