獣医学部に入るまでの紆余曲折を書いてみました。

獣医師。酪農学園大学獣医学部卒業後、神戸の動物病院で4年ほど勤務し、命の重みを毎日痛感。結婚後移住した北海道の町には小動物の病院がひとつも無いという、このご時世大変びっくりな展開を経験する。現在新種の生物(息子)と格闘しながら、将来臨床への復帰を目指して再勉強中です。地域の子供達と動物の健全で安全な触れ合いの時間を作ることが、学生の頃からの密かな目標。・・ただの動物好きなので、いろいろな動物に関することを幅広く書いていきたいと思います。

最近はインターネットでたくさんの情報が手に入る時代だとは思うのですが・・動物病院に勤務していた頃、患者さんからよく『うちの子供も獣医さんになりたいって言っているんですよ〜』というご相談?を受けたので、私なりに歩んできた道のりを少し書き出してみようと思います。獣医学部受験から始まりいくつかのハードルがあったのですが、こんな人でもなれるのだと勇気を付けていただいたり何かのご参考になれば幸いです。

獣医学部のある大学はむっちゃ少ない

いろいろあって獣医になろうと決めた私はまず獣医学部のある大学を調べてみました。するとなんということでしょう。日本全国47都道府県で、獣医学部のある大学はわずか16校だけだったのです。47も都道府県があるのに??国公立志望だったので、さらに11校に限られてしまうという有様です。(プロフィールみていただければわかると思いますが、国公立は落ちております。)さらにさらにその中には東大とかが含まれていたので、個人的にはもっと絞られてしまいました。極めつけ、倍率を調べてみるとどこも10倍超え・・その時の事を思い出すと今でもノミの心臓がバクバクします。

理系なのに数学が苦手だし物理は嫌いだ

獣医学部を志望したものの私は完全に心が文系人間でした。好きな言葉はイトヲカシとtake it easy, 生物は好きでしたが高校生の時数学で12点とか取った記憶がありますし、うろ覚えですが化学で390人中386位などという順位をいただいたこともありましたし、物理の授業中は一番前の席だろうがお構いなしに何かが憑依して気絶しておりました。

でも、安心してください。獣医学部に入ってさえしまえば、授業は国語と英語と生物と少しの化学で成り立っていた気がします。受験科目も数学は3Cまで含まれていないところが多いですし、同じように数学が苦手な人でも何とかなるのではないでしょうか。

勉強に関してはとても偉そうに言えた口では無いのですが、ひとつ言えるとすれば、中学生くらいの柔軟なうちによく勉強して頭を使っておくと良いのかなあ、と思ったりします。あと私は2浪しているのですが、1浪目はなぜかアルバイトで道を踏み外しそうになり、2浪目はきっちり予備校に通って勉強し直しました。長丁場にしたくなかったら、ある程度気をしっかり持ってくださいね、とも思ったりします。

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浪人は当たり前?

それでも私が入学した年は現役で入ってきた人たちと一度他の大学に行ったり社会人になったりしてから入学してきた人たちの割合がほぼ一緒で少なく、大多数は1浪なり2浪なりしていました。何年もかけてまで獣医学部に入る価値はあるのか?こればかりは志願者の納得の行くところ(や周りの環境)で決めるしかないと思います。資格さえ取れば食いっぱぐれる事は極めて少ないという点ではおすすめ出来ますが、いろいろ辛いこともあるので、もし食いっぱぐれないためにという理由だけで目指すのであれば、早々に他の資格を取れる学部に入ってしまうのも選択のひとつかと思います。

学費との兼ね合い

浪人してもいいから国公立でヨロシクと親に言われていたにも関わらず、最終的に勝手に私立を(お年玉で)受けた上に国立には落っこちました。実は私立に受かった旨を伝えると、その後父親は3日間部屋から出てきませんでした、ずっとソロバンを弾いていたようです。国立ならまだしも私立となると学費生活費合わせると年間200万円以上かかってしまいます。(確か。)私は寮に入ることと奨学金をもらうことを条件になんとか送り出してもらいました。そして今も奨学金を返済しています。私はこれからも獣医師として地域に貢献したいという希望を持っていますし、特に親には感謝してもし切れない程なのですが、就職先の待遇は千差万別でこんなはずではなかったという話を聞いたり聞かなかったりします。なので自分がどんな事をしたいかどのような生活を送りたいかによってはよーく考える必要があると思います。

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大した紆余曲折ではなかったかもしれませんが、私は青春時代をほぼ獣医になりたい願望を背負って駆け抜けました。オシャレな大学生活とはかけ離れたものになるであろう予感は女子として時に致命的であり、いざ受験となると視野が狭いまま来てしまったので本当に獣医になりたいっけ?芸術家とかも、良いのでは?などと人知れず葛藤した時期だってありました。それでも綱渡りな自分が獣医学部に入れたということは、そこで頑張りなさいと背中を押されたのだと思っています。

長くなってしまったので、実際に獣医学部に入ってからのハードルの話は次に続けますね。

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