猫草にまつわるエトセトラ

獣医師。酪農学園大学獣医学部卒業後、神戸の動物病院で4年ほど勤務し、命の重みを毎日痛感。結婚後移住した北海道の町には小動物の病院がひとつも無いという、このご時世大変びっくりな展開を経験する。現在新種の生物(息子)と格闘しながら、将来臨床への復帰を目指して再勉強中です。地域の子供達と動物の健全で安全な触れ合いの時間を作ることが、学生の頃からの密かな目標。・・ただの動物好きなので、いろいろな動物に関することを幅広く書いていきたいと思います。

散歩中に、近所の馬が草をハムハムしていました。良い季節です。

草を見ると、ふと頭をよぎる、“猫草”のこと・・。

私自身が今まで“猫草”に関する全てのこと後回しにしてきたため、ちょっとした猫草コンプレックスを抱えてしまっております。

猫草を食べて吐く、という行為は胃の粘膜を傷つける?しかしどうにもこうにも猫草を欲している感のすごいうちの猫を見ると、必要でないならなぜこんなに欲するのかという疑問が浮かんできます・・。

ひとまず、Pub Med でcat grass と検索してみてみましたが、ボウズ。

他を探してみると、海外の獣医さんが猫草について書いた記事が見つかったので、そちらからポイントを抜き出してみようと思います。

猫草ってそもそも何?

『猫草』と書かれたプレートを前にサワサワと茂る猫草。サボテンしか枯らさずに育てたことのない私でも、猫草のサワサワはいつまでも維持できるものなのだろうか・・?という疑問以前に、猫草とは何なのでしょうか。

答えは、燕麦(えんばく)の新芽〜十数センチ成長したもの、です。

亜麻や大麦の場合もあります。

フサフサと密に生えたものが売られている場合もあれば、タネの状態で売られている事もあります。

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なぜ猫は猫草を食べるの?

科学的裏付けは無く、憶測になるようですが・・

“草から栄養(ビタミンB)を摂っている?”

→不適切な手作り食や飢餓状態でない限りビタミンB不足の猫はほとんどいない。

“食物繊維を摂っている?”

→キャットフードの多くに植物繊維が含まれている。猫に植物繊維が必要かどうかは不明だが、適度な量を摂取するのが悪いという報告もない。

“わざと吐くため?”

→吐くために食べるというよりは、食べると草が胃の粘膜を刺激して、結果として催吐される。ただ単に草を食べるのが好きなようにみえる。

結局、草の香りや食感などが好きなだけ・・!?

猫草は、あり、なし、どっち?

猫草を与えることが健康に良いとは言い難いが、他の有毒な植物や紐などの危険物に手を出させるよりは、猫草をシガんでもらう方がいくらもましなのではないか、というこの獣医さんの結論。

強いて差し出す必要もないけれど、どうしても欲しがっていればあげてもいいんでない、というスタンスです。

ただ、与えるにあたっては注意点もあります。

猫草を食べると少しばかり毛玉が消化管を通過しやすくなるという説がありますが、そもそも毛玉を頻繁(月1-2回以上)に吐く猫は消化管に何らかの問題がある可能性もあるため、猫草で解決しようとするのは危険。

もうひとつ、猫草が育ちすぎて芒(のぎ)までつけてくると、それを食べた猫の消化管に傷がついたり最悪穿孔したり、という可能性もあるので気を付けましょう。

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我が家のお猫さまも時々ビニールをムシャムシャするので、ひどいようなら目の前に猫草を散らつかせてみようかな・・(そもそもビニールを出しっ放しにしてはいけませんね!)。

それでは、いつの日かPubMedに猫草の事が載ったらまたご報告しようと思います。

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