子猫保護によくある話

獣医師。酪農学園大学獣医学部卒業後、神戸の動物病院で4年ほど勤務し、命の重みを毎日痛感。結婚後移住した北海道の町には小動物の病院がひとつも無いという、このご時世大変びっくりな展開を経験する。現在新種の生物(息子)と格闘しながら、将来臨床への復帰を目指して再勉強中です。地域の子供達と動物の健全で安全な触れ合いの時間を作ることが、学生の頃からの密かな目標。・・ただの動物好きなので、いろいろな動物に関することを幅広く書いていきたいと思います。

近頃では避妊去勢済みの地域猫が増えてきているところもありますが、まだまだこの時期春生まれの子猫を道端で見かけることがあります。

子猫というと、保護してお家にお迎えする動物No.1なのではないでしょうか。(カメも多い気がしますが。)

きっかけは色々とあるにせよ、いわゆる”野良”という状態から初めて猫を飼いますという方、または先住猫がいて2匹目ですという方、ぶつかる問題は皆さん結構同じだったりします。

そこで、『子猫保護あるある』をいくつか書いていこうと思いますので、もしリアルタイムであれば動物病院へ連れて行ってあげて下さい。

拾った子、目ヤニや鼻水だらけ・・!

むしろ子猫のこういった状態が不憫で保護しましたという方がとても多いのですが(世の中捨てたものではないかも、と思う瞬間です)、いわゆる“猫風邪”をひいてしまっている状態です。猫ヘルペスウイルス1や猫カリシウイルス、クラミドフェラ・フェリスやボルデテラ・ブロンキセプチカといった病原体の感染によるもので、さらに他の細菌の二次感染で症状がひどくなったりします。子猫は病原体への感受性が高いので、眼や鼻がふさがってしまったり、なかなかひどい状態になってうまく食餌を取れないということも・・。

インターフェロンや抗生剤を使って症状は改善していきますが、症状がなくなっても病原体を持ち続け、ストレスがかかった時に再発したり他の猫への感染源になることがあります。(ワクチンがあります。)

猫エイズや猫白血病をもっていると症状がさらに重かったり、予後が悪い場合もあります・・。

お尻から(便から)ソーメン(または米粒)が・・!

このソーメンやお米粒(時にきしめん)は、回虫や条虫といった寄生虫です。勇気のある方で、お尻から「何か」出ているぞと引っ張ってみたら数十センチの「何か」が出てきた、という経験をされる方もいるはずです。

ムシ自体が出てこなくても、便がゆるかったりすれば可能性があるので検便してもらいましょう。ムシがいても症状のない場合もあります。いずれにしろ検便は1度済ませておきたい項目です。できるだけ新鮮なものを持っていきましょう。ムシが出たらムシも持って行くと喜ばれます。

ノミがいる・・!

これは早めに対処したいものです。家にノミ駆除剤があっても、子猫の場合週齢によって使用できないものもあるので注意です。なんといっても毛が密ですので、少数の場合なかなか見つけられないこともありますが、ノミのフンが皮膚に付いていることがよくあるので、それでも判断可能です。(ティッシュなどで取って、アルコールをかけて血が滲めばノミのフンの可能性大です。)

子猫にも使えて即効性のあるスプレーをしてもらうとホッとできると思います。ちなみにノミは先に書いた条虫の感染源にもなるので、常に予防しておきたいですね。どちらにしろ、居ていい気はしません。どんどん増えますしね。

耳をやたら掻く

それは耳ダニがいる可能性があるだに・・という声が聞こえてきそうです。肉眼では見えないので、顕微鏡で耳垢を調べてもらいましょう。大家族になっていることもしばしば・・。耳ダニがいた場合完治には時間がかかりますが、改善してくると耳を気にしなくなるので、なかなか治療の甲斐があると思います。

子猫を保護したけれど、先住猫がいる場合

衛生面においても精神面においても、いきなり一緒にするのは避けて、新しく来た子は隔離しておきましょう。先に書いたものは全て先住の子にも伝染る可能性があります。まずは新入りの子の健康診断をして、一緒にするタイミングを相談しましょう。その上で先住の子を優先的に可愛がりながら少しずつ慣らしていくようにすると、幸せになれると思います。最初はシャーシャー言っていても、なんだかんだと仲良くなってくれることも多いです。その猫の性格にもよりますが・・。

先住の子も各種予防をしておくともし病気を持った子が来てもリスクが減ります。

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成猫の安定感もたまりませんが、やっぱり子猫は可愛いですね。家の中で丸まっている猫を見ると、「平和」という文字が浮かんできます。そんな幸せな猫が1匹でも増えたらいいなと思うのでした。

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