ところ変われば予防も変わる〜引越しやレジャーの際に気を付けたいこと

獣医師。酪農学園大学獣医学部卒業後、神戸の動物病院で4年ほど勤務し、命の重みを毎日痛感。結婚後移住した北海道の町には小動物の病院がひとつも無いという、このご時世大変びっくりな展開を経験する。現在新種の生物(息子)と格闘しながら、将来臨床への復帰を目指して再勉強中です。地域の子供達と動物の健全で安全な触れ合いの時間を作ることが、学生の頃からの密かな目標。・・ただの動物好きなので、いろいろな動物に関することを幅広く書いていきたいと思います。

随分と気候も良くなり、旅行などにも出かけやすい季節になりましたね。フィラリアやノミダニの予防を始められた方も多いと思います。

・・このくだりをお読みになって、『何を今更〜うちは3月から予防始めているわよっ』と突っ込まれた方、『もう始めないといけなかった??』と焦った方が中にはおられるかもしれません。縦長の日本、気候も様々。高知に引っ越した友人から5月に入る前「すでにフライパン外に出したら目玉焼きが焼けそうなほど熱いし暑い」と報告を受ける一方で我が家ではストーブがついておりました。フィラリアを媒介する蚊の出現なども気温に左右されるので、メジャーな予防期間にも地域差があったりします。それでは、ちょっとどれほど差があるのか覗いてみましょう。

沖縄では年中予防、北海道では3ヶ月前後のところも

私自身学生の頃は今のうちに色々見させてもらおうとあちこち実習に行ったりしていたのですが、西や南に行くほど寄生虫対策に入念だった印象があります。冬でも20℃を超える沖縄では、フィラリアの予防薬を買い求める人が後を絶たず、一方九州で働いた後北海道に勤務した友人はフィラリア陽性犬に出会わないのが物足りないような顔をしていました。(いえ、病気の子がいない方が勿論良いのですが。)

このようなサイトを見つけました。

全国犬のフィラリア感染期間の目安 DSファーマアニマルヘルス

「蚊が飛び始めてから最低でも1ヶ月後からは予防薬を始めて、蚊が飛び終わってから1ヶ月後までしっかり飲んでしてくださいね。」という曖昧なプレッシャーを毎年毎年掛けられるわんちゃんのご家族には嬉しい目安です。みなさまご存知の通り、また、フィラリアはどうやって感染する? にもありますように、蚊が血を吸うときにミクロフィラリアが犬の体内に入って感染が成立するので、感染するミクロフィラリアが成熟するために必要な積算温度を基に感染する期間を推定しています。(学術的!)

これを見てみると、最南の沖縄では平均感染期間が2月8日〜12月29日とほぼ1年を通じているのに対して最北の北見枝幸エリアでは7月31日〜9月17日までとわずか1ヶ月半程度。南北で随分と差があるので、遠距離のお引越しやわんこ連れの旅行時には注意をしたいところです。うっかり今住んでいるところの感覚のままでいると、予防できていない期間に感染してしまったなんて事も起こり得ます。

フィラリアだけでなく予防接種の種類も

また、地域によって比較的よくみられる感染症があったりもします。混合ワクチンも2種〜11種まで何種類かあり、自宅周辺を散歩する程度であれば5種のワクチンで十分でも旅行で山川あちこち行く場合はそれに配慮する必要があります。もちろん副作用が出て種類を落としたというケースもあるかと思いますので、そういう子はリスクのある場所には連れて行かないように注意したいですね。
因みにワクチン未接種で旅行に行き、旅行先で行方不明になり、無事見つかったものの犬伝染性肝炎をどこからか貰ってきて入院するはめになったかわいそうな例もありますし、うちは周りに感染するような場所が無いから大丈夫〜と自信を持っておられる方も1度あらゆるケースを想定してみてくださいね。

予防をしっかりして、楽しい季節をお過ごしください。

人気記事ランキング