馬の国から1〜序説〜

獣医師。酪農学園大学獣医学部卒業後、神戸の動物病院で4年ほど勤務し、命の重みを毎日痛感。結婚後移住した北海道の町には小動物の病院がひとつも無いという、このご時世大変びっくりな展開を経験する。現在新種の生物(息子)と格闘しながら、将来臨床への復帰を目指して再勉強中です。地域の子供達と動物の健全で安全な触れ合いの時間を作ることが、学生の頃からの密かな目標。・・ただの動物好きなので、いろいろな動物に関することを幅広く書いていきたいと思います。

国道235号沿いに今年も生まれたばかりの子馬の姿がたくさん見られるようになりました・・ここ日高地区での2013年における軽種場生産頭数は5423頭(JAIRSまとめ)。実に日本の競走馬のたまご達の8割近くがこの地で生まれています。

そんな日本最大のサラブレッドの馬産地である日高に私が移住して、2年半の月日が流れようとしております。馬の国に住みながら・・・馬に関して持ち合わせていた情報と言えば、馬が中指1本で走っていることと、巨大な盲腸に無数の微生物をはべらしていること、そして胆囊がないことくらい。何なら日高の交通手段は馬であり、馬に触れない・乗れない者は村八分にされるのではと心配になり、移住が決まってから慌てて地元の乗馬教室に通いだしたという勘違いぶり。

そんな自分が格式高い競走馬の世界を語っていいのかと若干不安になりますが、“馬は動物として好きだけれど競馬って初心者”なあなたとは一緒に成長し、“競馬新聞を物心ついた時からバイブルにしている”あなたにはお手柔らかに見守っていただき、最終的にはどっぷりサラブレッドの魅力の沼にはまっている状態を目標として、ここ日高から(極めて主観的な)馬にまつわる情報をお届けしたいと思います。

(え?この人全然ペットの話書かないな?GWに便乗して、お休みです!)

競馬はギャンブル?

さて、どうしても競馬というと“ギャンブル”という印象が勝ってしまう傾向があります。私も父親から『お父さんなあ、あんたら生まれてから競馬もタバコもやめたんやで〜。』と自慢(?)されて育ちました。つまりは当時、競馬とは家族を養うものにはそぐわないとされるものであったということでしょう。

確かにアリ金を全部競馬ではたいたとなれば大問題ですが、しかし今は『家族で競馬場に行こう!』という風潮が強くなってきている気がします。現にここ日高にある門別競馬場では小さい子ども連れの姿など当たり前。何なら子ども向けの遊具まで置いてあり、小さなコテージ風の小屋を借りて団らんしながら観戦できるようにもなっています。さらにはデートコースに競馬場が選択される機会も増えて来ていますし、皆馬に夢中なのだから、ぼっちでも全然平気。

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(ポニーがそりを牽いてくれるイベントもあったりします)

もうひとつ、あまり知られていないのではと思うのが(知っていたらごめんなさい)、“国庫納付金”なるものであります。JRAに公式HPで、“国庫納付金”を検索すると、

勝馬投票された金額から控除された約25%のうち、10%が国庫に納付される。これを第1国庫納付金という。残りの15%を中央競馬の運営に充てるが、この中から、さらに剰余金が出た場合には、その2分の1が国庫に納付される。これが第2国庫納付金である。日本中央競馬会法では、この納付金の4分の3相当額を畜産振興事業に、また4分の1相当額を社会福祉事業の充実に充当することを義務づけている。 参照元URL

と出ます。つまり、掛け金100円のうち約10円が国の為に使われるということです。そのうち7.5円が日本の畜産業を支え、2.5円が福祉を支えるということになります。これは、馬券を買うともれなく良い事をしている、という事ではありませんか?こうなってくると、家計の予算から競馬資金を捻出して、『国の為に』という名目のもと堂々と競馬場に行けるのではないでしょうか。ちなみに我が家の競馬資金はまだ200円程度と少なめ(後はお小遣い制)ですが、たとえ握りしめているのが100円玉であっても、キュートな馬やクールなジョッキーから生命の息吹を感じとるには十分であります。

ここ数年は、1993年から続いていた馬の生産頭数の減少傾向にも歯止めがかかってきているようです(JAIRSより)。アベノミクスに便乗して馬世界にも良い風が吹くといいなと、広い空の下ひたすら草をはむ馬たちを目の前にして思うのでした。

馬の国から2〜馬の獣医はポニーテールが好き〜

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