ウ○コは大いなる可能性を秘めている。

獣医師。酪農学園大学獣医学部卒業後、神戸の動物病院で4年ほど勤務し、命の重みを毎日痛感。結婚後移住した北海道の町には小動物の病院がひとつも無いという、このご時世大変びっくりな展開を経験する。現在新種の生物(息子)と格闘しながら、将来臨床への復帰を目指して再勉強中です。地域の子供達と動物の健全で安全な触れ合いの時間を作ることが、学生の頃からの密かな目標。・・ただの動物好きなので、いろいろな動物に関することを幅広く書いていきたいと思います。

(お食事中の方は念のため閲覧をお控えください。)

私の通っていた大学では、寄生虫学教室の扉に

ウンコは大いなる可能性を秘めている。

と書かれた紙が貼ってありました。

・・・よくご覧になって下さい。

○コはいなる能性を秘めている。

赤文字を組み合わせると、なんと、生虫のの文字になるのです!!

さて、動物と関わることの多い方なら十分ご実感されているかと思いますが、動物とウ○コは切っても切れない関係にあります。むしろ今私が書いていてなぜウ○コのンを伏せ字にする必要がるのか、自分に腹立たしくなってくるほど、重要なメッセージがそれには込められているのです。

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ペットと便

寄生虫学教室の張り紙にあるくらいですから、ウ○コ(疲れてきたので、しばらくは便と表記します)には寄生虫や寄生虫の卵が一緒に出て来る事があります。回虫や条虫の親虫であれば肉眼で確認することができますが、卵やもっと小さい種類の寄生虫は顕微鏡でなければ見えません。

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ペットの便は散歩や掃除で毎日目にするものなので、いつもと違えば気がつきやすい、健康のバロメーターです。形、色、柔らかさ、臭い・・なんとなーくでも、この子はこういう便、というのを把握しておきましょう。

下痢をする、便秘になるという変化は一過性のものも多いですが、体の中に異変が起こっている可能性もあります。子宮蓄膿症や甲状腺機能亢進症など、元は消化管自体の問題でなくても下痢を引き起こす病気も注意が必要です。

基本のキですが、便の異常の原因が何にあるのかという可能性を絞るためにも、そういった問題で動物病院へ行く時は便を持参しましょう。

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食糞

お家のワンちゃんが小さい頃に食糞をしてそれが悩みの種だった,または今悩んでいるという方もおられるのではないでしょうか。ウサギのように盲腸便と呼ばれる食糞用の便をわざわざ出して食べる動物もいますが、そうでない動物が食糞するのはなぜでしょうか。

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可能性としては、寄生虫がいる、何らかの問題行動、貧血など体の異常、など挙げられますが、“問題ない”ことも(特に子犬の場合)多いです。

糞便検査で異常がなくて他の疾患も可能性が低い場合、排泄したらすぐ片付ける、排泄したらすぐ褒めてご褒美を与え気をそらす、便に七味唐辛子をふりかけるという強行策・・・、などで改善する場合があります。

ちなみに親の腸内細菌を摂取するために親の便を食べる子馬もいます。

その他の可能性

ウ○コは私たちの身近な家族の健康チェッカーになるだけでなく、自然界でも重要な役割をしてくれています。

野鳥の糞に食べた植物の種が含まれていて、野鳥が飛んで行った先でポトッと落とせばそこから芽が出る、というのは有名な話ですよね。さらに移動距離の多いアフリカゾウのウ○コが生態系の維持に役立っているという話もあります。(アフリカゾウの話については、後日また書く予定です。)

ウ○コが地球を循環している(からと言って、ペットのウンコは外に置きっぱなしにしてはいけません)という壮大な話は勿論、ウ○コを見てその動物を当てるという楽しみ方もあります。自然散策に出かけた時、景色を楽しむのもいいですが、足下をじーっと見て、動物のウ○コを探してみるのも面白いと思います。そこにあるウ○コの種類だけ、動物がいるのです。ウ○コの数だけ、夢があるのです。

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